米澤成美作・演出、舞台公演『青に寄り添う教会で』がクリスマスの教会で開催 平成29年12月22日~24日

平成29年12月22日~23日に新宿44station、24日に御茶ノ水クリスチャンセンターで、米澤成美作・演出の舞台公演、『青に寄り添う教会で』が上演された。

ストーリー

海に寄り添うように存在する、釜石オリーブ教会。震災から6年経ち、一人の牧師が赴任して来た。彼にはその土地に忘れられない後悔があった。教会に来る人々もまた、それぞれの葛藤を抱えていた。実際にある教会を基にし描かれるクリスマスの奇跡の物語。(上演時間:1時間50分)

出演者

佐藤ザンス、森川陽月、米澤成美、渡瀬剣士郎、内田啓太、石田迪子、行平翔
梅津圭司、伊藤綾乃(Lunaticberry)、佐々木乃愛琉

お笑いのゲスト:ぐりすとらっぷ
歌のゲスト(24日のみ出演):高橋香緒里、ピアノ:小池真衣

演出の米澤成美さんに終演後インタビュー

初の長編の舞台公演の作・演出でしたが、シナリオ作成はいかがでしたか

シナリオの作成は、苦労しましたし、いっぱい悩みました。これまで一人芝居の台本は書いたことがありましたが、一つの話がせいぜい20分程度のものばかりで、1時間を超える長編などまるで経験が無かったのです。そこで、主人公を複数にして、それぞれ20分程度のストーリーで展開し、最後にそれらが纏まるといった分場劇の形式にしようと思いつきました。これなら、自分にも書けると思ったんです。

最初から教会をテーマとした作品を考えていたのですか

いいえ、はじめは、クリスマスをテーマにしたミュージカルとか、一人の中年の男が異世界に迷い込んでしまって、イエス・キリストみたいになってしまうといったファンタジー調のストーリーを考えていました。どうしても話の展開が面白くならず、結局挫折してしまったんです。ある日、本公演の会場となる新宿44stationが完成したというので見学に行った際、壁が真っ白に塗られ、階段の作りとか、まるで教会にでもいるような感じがしたため、それならいっそのこと牧師さんを主人公とする教会のお話にしようと思ったのです。

なぜ釜石市の教会を舞台にしたんですか

私は東北の岩手県生まれのため、東日本大震災については常に頭の片隅にありました。当時は自分自身、何もできなかったので、いつかどんな形でもいいから、自分にできる方法で何かしたいという思いがありました。なので、教会のお話にするのであれば、東北で被災した教会に当時のことをいろいろと伺ってみようと、岩手県釜石市にある新生釜石教会を訪ね、インタビューさせていただいたのです。

インタビューの中で特に印象に残ったことは何ですか

当時、牧師さんは、今東北に必要なものは『祈り』であり、祈ることでみんなが救われると常々おっしゃっていたそうです。震災後、わずか数日で小屋を作り、そこにみんなが集まれるようにし、さらに1週間後には日曜礼拝を再開したのだそうです。インタビューの中で牧師さんは自分のことを『ダメ牧師』だったとおっしゃってましたが、行動力のある素晴らしい牧師さんでした。

教会で伺ったことがシナリオの中にちりばめられているということですね

はい、いろいろと興味のあるお話を伺ったので、釜石の教会を舞台とすることに決めました。そこに住む人々の悩みや葛藤を短編ストーリーで繋ぎ、それらを牧師さんの力によって一歩踏み出させるというものにしたんです。ストーリーはすべて、私が作成したオリジナルですが、今回主催していただいた東京オリーブ教会の絹田至牧師、新生釜石教会の牧師さんのお話をふんだんにちりばめさせていただきました。エンディングは、当初描いていたようなファンタジー調にしたかったので、震災で流され亡くなったはずの主人公の弟がウルトラマンのように3分間だけ登場し、兄弟のわだかまりをなくすという形にしたんです。

すべての公演が終わって、今の気持ちはいかがですか

皆さんには感謝しかありません。今まで一人芝居しかやってこなかったので、いたらない点が多々あったことと思います。自分自身考えすぎて、いっぱいいっぱいになってしまい、気持ちが折れてしまいそうなこともありました。そんなとき、皆さんの温かさがどんなに励みになったか、本当にいっぱい支えていただいたと思います。釜石市に何が必要かと考えたときに、震災直後は「頑張れ、頑張れ」でした。2013年に訪問した時は、皆さん疲れてしまっていて「頑張れ」って言ったら可哀そうな雰囲気でした。そして2017年のときは、頑張って一歩踏み出そうとしているので、ちょっとよろけたら寄り添ってほしいという感じでした。ここから、今回のタイトル『青に寄り添う』という言葉が生まれたんです。今回の舞台公演の演出、自分の中では精一杯でした。でも点数をつけるとすると70点です。またこのようなチャンスをいただけるならもうちょっと上げられるよう精進したいと思います。皆さん、ありがとうございました。